収益と利益の最大化を支援する
プロフィット・コーチの小林 剛です!
『結果』を出すなら、『(財務)知識』と『意識』で、PDCA
会社のお金を増やす方法の3つ目は、良い負債を増やすことです。
この言葉に違和感を持つ社長も多いかもしれません。
「負債を増やす」と聞くと、借金が増えるイメージがあります。
しかし、BS上の負債は、すべて悪いものではありません。
むしろ、会社のお金の流れを強くする負債もあります。
その代表が、前受金です。
負債とは、他人から預かっているお金である

BSの右側には、負債と純資産があります。
負債とは、簡単に言えば、他人から集めているお金です。
借入金も負債です。
買掛金も負債です。
未払金も負債です。
前受金も負債です。
ただし、同じ負債でも、性質は大きく違います。
【負債の種類】
≪悪くなりやすい負債≫
・返済原資のない借入金
・赤字補填の借入金
・資金繰りの穴埋め借入金
・返済計画のない借入金
≪良い負債≫
・前受金
・適正な買掛金
・適正な未払金
・預り金
・事業成長に見合った借入金
重要なのは、負債の金額ではありません。
その負債が、お金を生む構造になっているかどうかです。
前受金は、最も強い資金調達である

前受金とは、商品やサービスを提供する前に、お客様から先にお金をもらうことです。
これは、非常に強い財務構造です。
通常のビジネスでは、次のような流れになります。
●仕入
↓
●製造・作業
↓
●納品
↓
●請求
↓
●入金
この場合、入金までの間、会社が運転資金を負担します。
一方、前受金型ビジネスでは、流れが逆になります。
◎入金
↓
◎仕入・製造・作業
↓
◎納品・サービス提供
先にお金が入るため、会社の資金繰りは非常に安定します。
【通常型と前受金型の違い】
≪通常型ビジネス≫
●会社が先にお金を出す
↓
●仕入・人件費・外注費を支払う
↓
●後からお客様から入金される
↓
●資金繰りが苦しくなりやすい
≪前受金型ビジネス≫
◎お客様から先にお金をもらう
↓
◎そのお金で仕入・人件費・外注費をまかなう
↓
◎会社のお金が減りにくい
↓
◎資金繰りが強くなる
■前受金は、お客様が運転資金を支えてくれる構造
前受金が強い理由は、会社が運転資金を負担しなくて済むからです。
言い換えれば、お客様が運転資金を支えてくれている状態です。
これは、非常に強いビジネスモデルです。
たとえば、次のような業種や取引では、前受金を取り入れやすい場合があります。
・年間契約
・月額契約
・保守契約
・予約販売
・受注生産
・着手金のある仕事
・定期購入
・会費制ビジネス
・コンサルティング契約
もちろん、すべての会社で簡単に前受金が取れるわけではありません。
しかし、社長が考えるべきことは、「うちは前受金が取れない」で終わらせることではありません。
『どうすれば、一部でも先にお金をもらえる構造にできるか?』を考えることです。
借入金だけに頼る会社は、危険

資金が足りないとき、多くの会社は借入金に頼ります。
もちろん、借入金が悪いわけではありません。
運転資金、設備投資、成長投資のために、借入金を使うことはあります。
問題は、利益が出ない、資産も減らせない、前受金も取れない状態で、借入金だけが増えていくことです。
これは非常に危険です。
【危険なBSの形】
危険なBS
<運用> <調達>

このようなBSでは、右側の借入金だけが膨らみ、左側にはすぐに現金化できない資産が残ります。
売掛金は回収されるまで現金になりません。
在庫は売れるまで現金になりません。
固定資産は簡単には現金化できません。
その一方で、借入金の返済は毎月来ます。
これが、資金繰りを苦しくする構造です。
■強い会社のBSとは
では、強い会社のBSとはどのような形でしょうか。
次のようなBSです。
【強いBS】
<運用> <調達>

強い会社は、単に利益が出ている会社ではありません。
*利益が出ている。
*売掛金の回収が早い。
*在庫が適正。
*固定資産が重すぎない。
*前受金などの良い負債がある。
*自己資本が積み上がっている。
こういう会社が、本当に財務の強い会社です。
■社長が見るべき6つの質問
最後に、社長が毎月確認すべき質問を整理します。
① 現預金は増えているか
② 売掛金は増えすぎていないか
③ 在庫・未成工事支出金は適正か
④ 固定資産はお金を生んでいるか
⑤ 前受金を取れる余地はないか
⑥ 借入金に依存しすぎていないか
この6つを見るだけでも、経営の見え方は変わります。
PLだけを見ていると、売上と利益しか見えません。
しかし、BSを見ると、会社のお金の体質が見えます。
まとめ:売上を追う経営から、お金を残す経営へ
① 利益を出す
→ 自己資本を増やす
② 資産を減らす
→ 売掛金・在庫・固定資産を現金化する
③ 良い負債を増やす
→ 前受金・買掛金などを活用する
この3つを理解すると、社長の意思決定は大きく変わります。
売上を増やすだけでは、会社は強くなりません。
利益を出し、
お金を寝かせず、
資金が先に入る仕組みを作り、
自己資本を厚くする。
これが、会社のお金を増やす経営です。
BSを読むとは、単なる会計知識ではありません。
会社のお金の流れを、構造で理解することです。
そして、社長がBSを理解したとき、経営は変わります。
売上を追う経営から、お金を残す経営へ。
これが、財務を強くする社長の考え方なのです。
