収益と利益の最大化を支援する
プロフィット・コーチの小林 剛です!
『結果』を出すなら、『(財務)知識』と『意識』で、PDCA
近年、あらゆる業界で「人件費・光熱費・社会保険料」の上昇が続いています。
もはや「固定費を下げる経営」には限界があります。
では、どうすれば利益を残せるのか?
その答えは―「粗利益を上げる」こと ―です。
今回は、インフレ経済下でも利益を出せる会社が実践している、“粗利益を上げる3つのステップ”をわかりやすく解説します。
STEP 1:売上を「粗利益基準」で再設計する

─「たくさん売る」より「儲かる構成」をつくる ―
まず最初に取り組むべきは、「売上の質」を見直すことです。
売上を追うのではなく、粗利益率の高い売上構成にシフトすることが重要です。
★ 具体的な実践ポイント ★
- 商品別・サービス別の粗利益率を見える化する
→ Excelなどで商品ごとの「売上高」「原価」「粗利益率」を一覧化。 - 粗利率の低い商品・取引を整理する
→ 値上げ交渉または撤退を検討。 - 高粗利商品への営業・販促を集中
→ 売上の分母より、粗利の分子を大きくする発想。
【例】
A商品(売上1,000万円・粗利率20%)よりも、
B商品(売上800万円・粗利率40%)を伸ばした方が、
最終的な利益は大きくなります。
“売上の多さ”より“粗利益の厚さ”を追う―これが第一のポイントです。
STEP 2:現場で「粗利益意識」を浸透させる

─ 社員が“売上ではなく粗利で考える”組織へ ―
次に大切なのは、経営者だけでなく現場全員が「粗利意識」を持つことです。
多くの中小企業では、社員が「売上=成果」と捉えてしまっています。
しかし本来、利益を生まない売上は“仕事のフリ”にすぎません。
★ 粗利益意識を育てる3つの仕組み ★
1️⃣ 粗利益を指標とした目標管理を導入する
→ 売上ノルマではなく、粗利益目標を設定。
2️⃣ 会議で“粗利益ベース”の数値報告をする
→ 月次会議で「売上」「粗利益」「粗利益率」を比較。
3️⃣ 粗利益貢献を評価する人事制度に変える
→ 粗利益の改善行動を評価・賞与に反映。(決算賞与を支給する等)
★「売上を作る人」から「利益を創る人」へ ★
社員の意識が変われば、数字は必ず変わります。
STEP 3:コストを“削る”から“磨く”へ

─ 支出を減らすのではなく、投資効率を上げる ―
粗利益を上げる最後のステップは、単なるコスト削減ではなく、投資の選択と集中です。
★ 具体的アプローチ ★
- 費用の“目的”を明確化する
→ 「この支出は利益につながっているか?」を常に問う。 - 人材・教育・DXへの投資は“攻めの固定費”と捉える
→ 将来の粗利向上につながる支出を優先。 - 原価・外注費の“見直し会議”を定期開催
→ 仕入・外注先との交渉改善、無駄な工程削減を実行。
コストを減らすだけの経営は衰退します。
一方、“磨くコスト”=未来を創る投資は、必ず粗利益を生み出します。
まとめ:粗利益を上げる会社は、強い会社
粗利益を上げる3つの実践ステップをまとめます。
| ステップ | 目的 | 具体策 |
| STEP1 | 売上の質を高める | 高粗利益商品・取引に集中 |
| STEP2 | 組織の意識を変える | 粗利益目標・評価制度・会議体制 |
| STEP3 | 投資効率を上げる | 削るではなく、磨く支出管理 |
『 固定費が上がるのは止められない。』
でも、粗利益を上げることは、いつでもできる。
そしてその積み重ねが、“利益が残る経営体質”をつくり、“潰れない会社”をつくるのです。
