収益と利益の最大化を支援する
プロフィット・コーチの小林 剛です!
『結果』を出すなら、『(財務)知識』と『意識』で、PDCA
ABC分析を導入した企業が、すべて利益体質になるわけではありません。
実際、分析を一度やって終わる企業も少なくありません。
一方で、数字を共通言語にした会社は、意思決定が速く、会議の質が上がり、社員一人ひとりの意識が変わります。
今回は、ABC分析を「単なる分析」から「企業文化」にまで昇華させるための3つの仕組みを紹介します。
「数字で語る」共通言語をつくる

経営の混乱は、多くの場合「言葉のズレ」から始まります。
「売上が上がった」「頑張っている」「まだ大丈夫」
これらは感覚の言葉です。
一方、数字は事実を語ります。数字が共通言語になれば、会話が変わります。
◆数字で語る文化の第一歩◆
- 売上ではなく「粗利益」で会話する
→ どの顧客・商品が“儲けているか”を常に意識する。 - 「構成比」と「累積比」で見る習慣をつくる
→ 20%で80%を生む構造を全員が理解する。 - 「感想」より「データ」を先に話す
→ 「今月は売上が落ちた」ではなく、「A顧客の構成比が3%下がった」。
▶ 数字で語る文化とは、「感覚を排除すること」ではなく、「事実を共有すること」。
感情の前に、事実がある。これが経営会話の原則です。
「見える化」を“仕組み”にする

ABC分析を一度やっても、定期的に更新しなければ意味がありません。
分析を「“文化”にするには、仕組みに落とし込む」ことが不可欠です。
◆実践企業が行っている3つの仕組み◆
- 月次でABC分析を更新するルールを設定
→ 月末締め後3営業日以内に更新し、経営会議で共有。 - ダッシュボード化する
→ Excel・Googleスプレッドシートで自動更新し、全社員が閲覧可能に。 - パレートグラフを掲示する
→ 売上や粗利の累積比グラフを社内モニターや会議室に常設。
「見えるものは、管理できる」
「管理できるものは、改善できる」
このサイクルが回り始めると、社員は自然と数字を見るようになります。
「会議」を数字で進める

多くの企業では、会議が“報告会”になっています。
しかし、数字をベースにした会議に変えることで、意思決定がスピードアップします。
◆数字で進める会議の型◆
- 冒頭3分:ABCランクの変化報告
→ 「A顧客の粗利益比率が先月より+2%」など、事実だけを共有。 - 次の5分:原因分析と仮説
→ 「なぜA顧客の売上が伸びたのか」「C商品の在庫が増えた理由は?」 - 最後の5分:次の行動決定
→ 「来月、B顧客をA化するための具体策を3件実行する」。
▶ 感情ではなく、データから会議が始まる。
これが「数字で語る経営文化の核心」です。
「評価」と「教育」に数字を結びつける

文化として定着させるには、評価制度と教育にまで数字を結びつける必要があります。
◆評価への組み込み方◆
- 各部門のKPIを「A・B・C別の粗利益率」で設定する
- 営業評価を「売上額」から「粗利益額・A顧客維持率」に変更する
- 会議で「数字で報告できた人」を高く評価する
◆教育への組み込み方◆
- 新人研修で「パレートの法則とABC分析」を学ぶ
- 幹部研修で「A・B・C戦略策定演習」を行う
- 社員勉強会で「数字で語る練習(ロープレ)」を行う
数字が教育の中心にある会社は、「数字で考え、数字で話し、数字で動く」文化が根づきます。
数字文化が定着した会社の姿

数字を文化にできた企業には、いくつかの共通点があります。
| 項目 | 数字文化が根づいた会社の特徴 |
| 会話 | 「利益率」「構成比」「回転率」という言葉が日常に出る |
| 意思決定 | 感覚よりデータに基づく判断が速い |
| 会議 | 「感想」ではなく「事実と仮説」で進む |
| 社員意識 | 「自分の行動が利益にどう影響するか」を理解している |
| 経営者 | 数字を“責める道具”でなく“育てる言葉”として使う |
数字が文化になると、経営は“トップの判断”から“全員の合意”に変わります。
これが「数字で語る経営」の完成形です。
まとめ:『数字は、愛の言葉である』
数字は冷たいと思われがちですが、本当の数字とは「人を責めるため」ではなく、「会社を良くするため」の愛の言葉です。
「感情」ではなく「数字」で語る。
「結果」ではなく「構造」を見る。
「データ」ではなく「人の成長」をつなげる。
この循環が生まれたとき、ABC分析は単なるツールではなく、“経営の哲学”として生きる文化になります。
あなたの会社では、数字が“叱責の材料”ですか?
それとも、“未来を語る言葉”ですか?
どちらにしても、数字は会社の鏡です。
