収益と利益の最大化を支援する
プロフィット・コーチの小林 剛です!
『結果』を出すなら、『(財務)知識』と『意識』で、PDCA
ABC分析を行う目的は、「現状を分類すること」ではありません。
本当の目的は、分類結果をもとに「利益を最大化する経営戦略」を描くことにあります。
A・B・Cのランクが見えたら、次に問うべきはこうです。
「Aをどう守り、Bをどう育て、Cをどう処理するか?」
今回は、ABC分析の結果を経営アクションに変える「実践の3ステップ」をご紹介します。
STEP1:Aランクを「守り・伸ばす」戦略

Aランクは、会社の利益の大半を生み出す“金のなる木”です。
しかし、多くの企業が「Aは安定している」と思い込み、ケアを怠ります。
Aを守れなければ、会社の利益構造は一瞬で崩れます。
◆1. A顧客への“特別対応”を設ける
- A顧客専用の担当者・相談窓口を設ける
- 決裁スピードを早め、要望対応力を高める
- 感謝・報告・面談の頻度を高める
▶ 目的は「離れさせないこと」ではなく「より深く信頼されること」。
A顧客が離れるリスクは、A顧客を守るコストよりはるかに大きいのです。
◆2. A商品・サービスの“値上げ・高付加価値化”
A商品は、既に信頼を得ているため、価格転嫁が最もしやすい領域です。
- 品質・納期・サポートを改善し、価格改定を検討
- 付加価値型のオプション販売(セット化・メンテ契約など)
▶ Aランクこそ、値上げによる粗利益率アップの最優先候補です。
STEP2:Bランクを「育てる」戦略

Bランクは、「Aの次」を担う成長株。
この層を育てられるかどうかが、未来の利益を左右します。
◆1. B顧客の「共通課題」を発見する
B顧客を分析すると、共通の悩みやニーズが見えてきます。
その課題を解決する商品・サービスを磨くことが、Aへの昇格ルートです。
例)「価格より納期を重視するB顧客」が多ければ、“短納期プレミアムサービス”を設けて単価を引き上げる。
◆2. B商品は「利益率改善」に集中する
B商品は売上はあるが利益率が低いケースが多いです。
- 原価の見直し(仕入・外注単価の再交渉)
- 生産・作業時間の短縮(改善活動)
- 小ロット高コスト構造の是正
▶ Bは「伸ばすより、引き締める」。
コスト改善で粗利率を上げると、Aに一歩近づきます。
◆3. B顧客・B商品を「A化」するための営業習慣
- 担当者を固定化し、関係性を深化
- 年間提案・定期面談を制度化
- 「A化シート」で進捗を見える化(※Excelで管理)
STEP3:Cランクを「減らす・変える」戦略

Cランクは、“やめる勇気”が試される領域です。
しかし、単に切り捨てるだけではなく、「どう減らすか」、「どう変えるか」がポイントです。
◆1. C顧客への対応コストを見える化する
- クレーム対応・再作業・訪問回数など、隠れたコストを算出。
- 利益貢献がマイナスの取引を洗い出す。
▶ 「もうけていない顧客」ではなく、「損している顧客」が明確になります。
◆2. C商品は“撤退・外注・セット化”で再設計
- 売れない商品は、他社OEM化や外注で原価圧縮
- 小ロット品は、A商品とのセット販売に切り替え
- 利益率の悪い在庫は、セール・一括処分で現金化
C商品をなくすことより、利益が出る形に変える発想が重要です。
◆3. 「C業務」を社内から排除する
ABC分析を業務に応用し、利益に結びつかない仕事(C業務)を削ることも有効です。
例)手書き集計 → 自動化、
定例会議 → 目的が曖昧なら削除、
社長確認 → 権限委譲でスピード化。
“利益を生まない時間”を減らすことも、粗利益最大化の立派な戦略です。
実践のコツ:数字を「動かすため」に使う

ABC分析は、数字を“見る”だけでは効果が出ません。
数字を動かすために使うことが重要です。
| 目的 | 行動例 |
| Aを守る | A顧客の年間面談スケジュール化 |
| Bを育てる | B顧客の利益率向上目標設定 |
| Cを減らす | C商品・C業務削減プロジェクト発足 |
経営会議で「A→維持」「B→育成」「C→削減」を毎月点検することで、粗利益構造が着実に変化していきます。
まとめ : 「利益は、集中の結果である」
ABC分析の目的は、会社の“現状を知ること”ではありません。
「限られた資源を、どこに集中させるか」を明確にすることです。
利益は、偶然の産物ではなく、集中の結果である。
A・B・Cの違いを理解し、Aに集中し、Bを育て、Cを変える。
このシンプルな戦略が、会社の利益率を劇的に変えていきます。
あなたの会社のA・B・Cは、いまどんな動きをしていますか?
数字を見て終わりにせず、数字を「動かす経営」に変えていきましょう。
次回は、
「数字で語る経営文化のつくり方─ABC分析を企業文化にする方法」をお届けします。
数字を“経営者だけの言語”ではなく、“全社員の共通言語”にする実践策を紹介します。
