企業の成長を考える際、具体的な戦略や戦術といった「やり方」に目が向きがちですが、その根底には、企業が何を目指し、どのような価値を提供するのかという「あり方」が不可欠です。
この二つは、持続的な成長を実現するための両輪であり、バランスの取れた経営が求められます。

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プロフィット・コーチの小林剛です!
企業の羅針盤となる「あり方」

「あり方」とは、企業の存在意義、核となる価値観、そして長期的なビジョンを示すものです。
具体的には、創業の精神や目指す未来を描く「理念・ビジョン」、組織として大切にする信念や行動基準である「価値観・行動規範」、そして組織全体の雰囲気や習慣である「組織文化」などが含まれます。
さらに、社会の一員としての責任を示す「社会的な責任(CSR/ESG)」も重要な要素です。
「あり方」は、組織が進むべき方向を定め、従業員の共感を育み、企業ブランドの信頼を築く上で、揺るぎない軸となります。
目標達成を支える「やり方」

一方、「やり方」とは、設定した目標を達成するための具体的な手段や方法を指します。
健全な財務基盤を築く「財務管理」、市場での競争優位性を確立するための「経営戦略」、効率的な組織運営のための「組織構造」、業務効率を高める「業務プロセス」、顧客との関係を構築する「マーケティング」、そして変革を推進する「IT活用」などが挙げられます。
「やり方」は、日々の経営活動を支え、具体的な成果を生み出す実行力そのものです。
相互に作用し合う「あり方」と「やり方」

「あり方」と「やり方」は、車の両輪のように相互に作用します。
「あり方」が不明確な場合、「やり方」は近視眼的になり、一貫性を欠く可能性があります。
逆に、素晴らしい「あり方」を掲げていても、それを実現するための効果的な「やり方」が伴わなければ、理想は単なる絵空事に終わってしまいます。
両者がしっかりと連携し、目指す方向に向かって共に進むことで、持続的な成長が可能となるのです。
まとめ:「あり方」を見つめ直し、「やり方」を磨く
企業の「あり方」は、進むべき道を示す羅針盤。「やり方」は、その道を力強く進むためのエンジンです。
変化の激しい現代において、経営者は今一度、自社の「あり方」を深く掘り下げ、問い直す必要があります。
「私たちは何のために存在し、社会にどのような価値を提供したいのか?」この問いに対する明確な答えを持つことが、取るべき「やり方」を定める上で重要な指針となります。
そして、明確になった「あり方」に基づき、「やり方」を継続的に改善し、磨き上げていくことが、持続的な成長への確実な道筋となるのです。